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2012/04/01

デザインは思いやる姿勢 - Pinterest創業メンバーのデザイン哲学

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photo via net_efekt

Pinterestの創業メンバーでデザイナーのSahil Lavingia氏が、Co.Designで自身のデザイン哲学に関する記事を投稿している。至って平易な文章で、力強く繰り返すのは、デザインとは誰か専門的な人の仕事や、一部の機能ではないという事だ。そして、それはテクノロジーという言葉程に基礎的なものであり、一つの役割として、他の部署や役割と切り離してしまうのではなく、全ての役割に内在すべきなのだという。



特に、原文の中盤で述べられている以下の部分は、筆者も常日頃から感じており、共感を寄せる考え方だ。

The design instinct, above all, is about viewing the world around you as a place filled with opportunities to add more thoughtfulness and care. Thus, your organization deserves to be just as well-designed as your homepage, and your company’s tweets as crafted as your account confirmation emails.
デザインの本能というのは、私たちを取り巻く世界のどこに「思いやる(thoughtfulness and care)」余地があるかを気にする姿勢である。だからこそ、「組織」というのは巧くデザインされたウェブページのようになるべきだし、企業のTweetというのも、アカウント認証の時に送られてくるメールのように思慮深いものであるべきだ。 - Sahil Lavingia氏(強調部分FRAD)

外来語としての「デザイン」は、日常的な用法として「デコレーション」や「イラストレーション」「装飾」と混同される場合が多い。

しかし、デザイナーにとってのデザイン。ビジネスにおけるデザインはそれではいけない。確固たる哲学に根ざし、意識的でならなければいけない。具体的に言えばそれは、Lavingia氏の述べるような「思いやり」であり、多様な他者に「思いを馳せる」姿勢と表現できるかもしれない。


例えば、Lavingia氏は、Pinterest(ピンテレスト)を制作するに当たって、ボードとピンを現実のそれに似せて作っている。Lavingia氏は以下のように述べる。

良いデザインは、あらゆる決定や問題解決に際して根拠を持ち合わせているものだ。食器から机、キーボード、買い物カバンに至るまで、その背景には多くの人の、長時間にわたる試行錯誤がある。なぜPinterestのボードが今のような見た目になったかって?それは、既に人々がピンボードとはどういう見た目で、何に使うもので、ピンで止める事が何を意味するか、何を示唆しているかを決定しているからなんだ。良いデザインとはこのように、先行するアイデアの上に構築するもの、数学や物理のようにね。- Sahil Lavingia氏(強調部分FRAD)

standing on the shoulder of giants by moggsterb

Lavingia氏はこう締めくくる、
プロダクトの目的を明確化しよう、デザインの試行錯誤を重ねよう。そして、「それがなぜ存在するのかという理由(存在理由)」と「それが何をするのか(機能)」の間にあるギャップを極限まで埋めよう。


【参照】
Pinterest’s Founding Designer Shares His Dead-Simple Design Philosophy - Co.Design
http://sahillavingia.com/

ちなみにLavingiaさん、弱冠19歳にしてPinterestに参画したそうです。恐るべし。。

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